JR九州は、業務運営の効率化のため2022年3月から駅への係員配置やきっぷの販売窓口を縮小します。
少子高齢化や人口減少、激甚化する自然災害、さらには新型コロナウイルス感染症の影響により鉄道を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあるとしています。2021年度の鉄道旅客収入は、開催発足以来最低となった2020年度に次ぐ低水準となっており、今後も以前のような水準に戻らないと想定しているとのことです。
安全を確保しながら長期的に交通ネットワークを維持するための取り組みとして、2022年3月12日(土)から駅の体制が効率化されます。利用状況などから椎田駅、久留米高校前駅、西唐津駅、彼杵駅、長洲駅、吉松駅をはじめとする29の駅は終日駅係員不在の無人駅となり、これらの駅には係員が定期的に巡回を行うとしています(駅一覧と路線図は下図を参照)。
また、春日駅、飯塚駅、小城駅、長与駅、別府大学駅、南熊本駅などの48駅についてはきっぷの販売窓口が廃止となります(駅一覧は下表を参照)。販売窓口が引き続き設置される駅でも営業時間の短縮が行われ、県庁所在地駅など中核駅では7:00〜21:00、福岡・北九州都市圏の駅や新幹線、特急列車が停車する一部の駅などは7:30〜19:00とされます。これらに該当しない駅の窓口営業時間も短縮される予定で、近日中に各駅の営業時間をポスターで告知するとしています。
なお、無人駅や販売窓口がない駅または営業時間外であっても、駅設置の券売機できっぷの購入はできるとのことです。
JR九州は、カメラでの録画や遠隔見守りなどにより安全性を確保しながら、遠隔放送や「JR九州アプリ」、公式Twitter等を活用して案内や情報提供を行っていくとしています。また、販売面ではIC乗車券やインターネット列車予約、指定席券売機の利用促進に加え、ネット予約・チケットレス乗車サービス「EXサービス」の九州新幹線への導入(2022年春予定)などを進めていくとのことです。
駅係員が不在となる駅での身体の不自由な方の乗降については、事前の連絡により介助スタッフが駅に出向いて機動的に補助するとのことです。また、2022年夏頃には係員による乗降補助のWeb受付窓口「JR九州あんしんサポートネット」を開設するほか、2022年2月から香椎線で乗務員による乗降の補助を試験的に開始するとしています。